寺山修司没後40年記念認定事業<br>体現帝国 第十一回公演『奴婢訓』

寺山修司没後40年記念認定事業
体現帝国 第十一回公演『奴婢訓』

主人不在の中、下男下女たちが交代で主人役を演じるこの邸に、ある晩一人の男が訪ねて来た。


《日時》
2023年9月1日(金)~24日(日)

1日(金)19:00~ *撮影カメラが入ります。
2日(土)19:00~
3日(日)16:00~、*18:30~[トーク企画/解体新書 #1]
4日(月)19:00~
5日(火)*休演日
6日(水)19:00~
7日(木)19:00~
8日(金)*[爆音映像上映会]
9日(土)19:00~
10日(日)19:00~
11日(月)19:00~
12日(火)*[劇場立入調査会]
13日(水)19:00~
14日(木)19:00~
15日(金)*[超演劇実験会/奈落の鍵]
16日(土)16:00~、*18:30~[トーク企画/解体新書 #2]
17日(日)19:00~
18日(月)19:00~
19日(火)*[発達音楽会/月蝕の夜]
20日(水)19:00~
21日(木)19:00~
22日(金)19:00~
23日(土)19:00~
24日(日)14:00~ 19:00~追加公演決定

上演時間120分を予定しておりましたが140分に変更いたしました。
受付60分前より。劇場内開場20分前より。


《会場》
愛知・七ツ寺共同スタジオ

〒460-0011 名古屋市中区大須2-27-20
地下鉄鶴舞線[大須観音駅]下車②番出口 徒歩5分
東京[品川駅]より2時間 大阪[大阪駅]より1時間20分


《料金》
予約券、当日券、ドネチケ、映像配信視聴券
4,500円

*全席自由席。ツケ払いOK。
9月6日(水)より公演初日に収録した舞台映像を配信いたします。
映像配信購入頂いたお客様は9月30日(土)まで、何度でも視聴いただけます。

作|寺山修司
演出|渡部剛己

出演|
田口佳名子、 赤木萌絵
中居晃一、 安部火韻(愛蘭珈琲)、 麓貴志(ろーまの平日)、 ナオミ、 鈴江あずさ、 田上まみ、 池田豊、 左合陽裕

音楽|赤木萌絵
音響|ヤスエタイラ、小嶋大輝
照明|橋本武文(HL tech design)
舞台装置|早馬諒(妄烈キネマレコード)
映像収録|村崎哲也(muvin)
メインビジュアル|大河原愛「Recalling Memories 8」
炊事|叶和泉
運営|坪井菜摘、 安部百夏、 春雨乃音、 赤木香里、 しばたみつよし、 嘉島菜乃、 櫻井春菜子
著作権|テラヤマ・ワールド
主催|体現帝国 共催|エス・エー企画 後援|愛知県、名古屋市

【試演会】
日時:7月22日(土)18:00-20:00 *20分前開場
料金:2,000円

本公演一ヶ月前に試演会を開催します。この試演会を通して本公演の品質向上に繋げます。本公演では出来ない実験性の高い挑戦にお立会いください。

【解体新書 #0】
日時:8月26日(土)19:00-20:00 *5分前開場
料金:1,000円

登壇者:渡部剛己
本作品を演出する体現帝国の主宰であり超演出家の渡部剛己が作品について演出ノートや稽古場でのメモ類を元に話す本公演前のトーク企画を開催。

【解体新書 #1】
日時:9月3日(日)18:30-19:30 *5分前開場
料金:1,000円

登壇者:流山児祥(流山児☆事務所)、渡部剛己
1970年代から現在まで演劇界を牽引し続ける流山児祥を招き作品について掘り下げるトークを開催します。
※ 9月4日(月)10:00-映像配信有

【爆音映像上映会】
日時:9月8日(金)14:00-16:00、18:00-20:00 *20分前開場
料金:各回3,000円

自宅では味わえない劇場の音響やスクリーンで『奴婢訓』を観客と共に体感できるスペシャルな企画。
14:00- 演劇実験室◉天井桟敷『奴婢訓』
演劇実験室◉天井桟敷によって1978年1月に東京国際貿易センターで行われた『奴婢訓』初演映像を特別上映。 映像提供:アップリンク
18:00- 体現帝国 第十一回公演『奴婢訓』
超美麗編集された映像配信版 体現帝国 第十一回公演『奴婢訓』を爆音上映。同じ劇場で上演が成されている今、舞台とスクリーンがリンクする不思議体験をお楽しみください。

【劇場立入調査会】
日時:9月12日(火)10:00-20:00 *いつでも入場可
料金:1,000円

入退場自由。舞台に上がって、衣裳や小道具を間近で見て、触れて、写真も撮れるバックステージ企画。普段、なかなか目にすることのない舞台の裏側をじっくりと御覧いただけます。撮影およびSNS投稿OK

【超演劇実験会/奈落の鍵】
日時:9月15日(金)18:00-21:00 *20分前開場
料金:5,000円

超演出家・渡部剛己によるワークショップを開催。体現帝国の持つ特異な舞台世界がどのように出来ていくのか体験していく企画。本番使用している舞台で、実際の照明や音響を使用して『奴婢訓』のワンシーンを参加者と共に立ち上げていきます。

【解体新書 #2】
日時:9月16日(土)18:30-19:30 *5分前開場
料金:1,000円

登壇者:寂光根隅的父(双身機関)、渡部剛己
愛知にて過去に『奴婢訓』を含めた数々の寺山作品の企画上演を行って来た寂光根隅的父を招き作品について掘り下げるトークを開催します。
※ 9月17日(日)10:00-映像配信有

【発達音楽会/月蝕の夜】
日時:9月19日(火)19:30-20:30 *20分前開場
料金:3,000円

『奴婢訓』の劇中歌を中心にオリジナル楽曲を多数ご用意した特別な夜、体現帝国の歌姫 赤木萌絵のコンサートを開催します。



高画質A3チラシ/演出ノート/舞台図面

Artist+ に演出家・渡部剛己のインタビューが掲載されました。

今回の公演について、Artist+ に演出家・渡部剛己のインタビューが掲載されました。
Artist+ 記事 https://www.artist-plus.net/taigenteikoku-nuhikun

試演会を観てコメントを頂きました。

寺山修司の演劇は、暴力的な破壊力と可憐で甘美なロマンに、見世物のユーモアをまぶした世界だ。主人が不在の中での使用人たちの姿を描く『奴婢訓』にも、それらがたっぷりとある。そして、その空白を埋めるために代わる代わる主人を演じる使用人たちの姿を通して、彼らの奴婢性を徹底的に暴くのだ。体現帝国の『奴婢訓』は、強靱な身体を駆使し、七ツ寺共同スタジオの劇場空間を縦横に使い切って、その破壊とロマンを歌い上げる。

安住恭子(劇評家)


さて、寺山戯曲を遂行するにあたり、押さえるべきポイントはなんであろうか。シーザーの楽曲だろうか。舞台装置だろうか。マッチの薫りだろうか。では、劇団の色とはなんであろうか。煌びやかな役者陣だろうか。特有の音響だろうか。思想だろうか。体現帝国の奴婢訓は、それら全てを踏まえた上で、巧妙に梯子を外してくる。更に、“攻撃性”を加えて。しかし、びっくり箱のエンターテイメントではない。これはパンドラだ。開ければ最後、拡張された戯曲が現実に差し迫ってくる。(物理的にも)

ナカムラルビイ(ミュージシャン)


体現帝国『奴婢訓』試演を観て真っ先に頭をよぎったのは、見世物小屋としての演劇の魅力。圧倒的な身体、声、歌唱、クスリでもやってるの?と思わせる俳優のオーラ、これらが混じり合うと退廃的で甘美な様式美が立ち上がる。昭和と令和の時代のギャップを埋めるにはこの様式美を追及するしかないなと強く感じる作品だった。試演でもかなり禍々しさや猥雑さが見世物に昇華していたので、本公演が楽しみになる試演だった。

松浦茂之(三重県文化会館 副館長兼事業課長)


スタジオの中に入って驚いた。ひな段客席は舞台上で装置と化している。客席は入口に接して3列だけ。客席と同じ平場も舞台になっている。劇場空間の9割方が舞台だ。七ツ寺ならではの自在で贅沢な舞台空間が広がる。そんな空間で体を張った異形の肉体による演技が繰りひろげられるさまに目を見張った。物語は姿を消した主人のかわりにアルジの椅子の座を奪おうとする下男下女たちの熾烈な“主人ごっこ”として進む。吐き出される悪態、悪口。とんでもない命令の数々。限りなく続く折檻。そこへ主人の遺産相続人と名乗る男が現れて……。登場人物たちはみな宮澤賢治の作品の人物の名で呼ばれ、その作品も下敷きになっている。渡部剛己の剛腕演出による舞台への立ち会いをすすめる。

二村利之(七ツ寺共同スタジオ元代表)


ゴーシュ演じる中居晃一はじめ、役者陣の豊かで魅惑的な発声、鍛錬の賜物である強靭な肉体が放つ生身のエネルギーが、作品世界を大きく輝かせている。闇の空間に映える緋毛氈の場面や、ハンドライトを巧みに駆使した演出が印象的。本番に向けさらに充実してくるという、赤木萌絵による劇伴の数々も楽しみ。難度の高い台詞の応酬──今後ブラッシュアップを経て、そのリズムやテンポが絶妙に合致することでより感じられるであろう、ゾクゾクするような劇体験を期待しています。

望月勝美(編集者・ライター)


社会的抑圧状態解放奇想劇の行方 ― 寺山修司 代表作『奴婢訓』の体現に立ち合って
寺山修司作『奴婢訓』は1978年アムステルダムで初演。その後、国内外で再演を重ねて高い評価を受けた代表作の一つ。
18世紀的な階級社会に君臨する豪農の主人がしばらく不在することになり、当時社会的に最下層をなす使用人たちはそれぞれが主人役を演じるゲームを展開することになるのだが、それまでの激烈な抑圧状況からの解放はとめどないアナーキー状態を噴出させ、狂乱の場となす。それを私たち観客が目撃するのみに留まるというアイロニカルな奇想劇を噴出させることになる。現代におけるロシアのウクライナ進攻を代行するワグネルの内乱にどこかで繋がっているようにも思える。

馬場駿吉(舞台芸術評論家)


本公演を観てコメントを頂きました。

原作は知らないし、テラヤマがどうの主人がどうの下僕がどうの、そんなことはどうでもいいや。トニモカクニモ実に圧巻の、阿呆の阿呆による阿呆の為の阿呆に満ちた阿呆展示博覧会であった。
「雑」が徹底してなかったし、グシャグシャなとこがあったり、一寸長過ぎたけど、観ていてウズウズわくわく、ウレシクて堪らない心地になったよ。面白かった。
カッパは壁を垂直に駆け上がり、ハゲの頭頂部は見る見る空洞化し、半ハゲが跳び跳ね発狂し、モヒカンが八艘飛びで大地を揺らし、ゴーシュの額は割れケツは腫れ上がり、ナオミは有り得ない函から顔を出し、あずさは甘吠え、まみの上半身はネジ切れ、田口のリンカクは崩壊しカラッポの脳髄は八方に爆発し、骨折りの萌える歌姫アカギの邪眼は欺瞞に満ちた客達の汚れた魂を射抜き浄化した。そこでは確かに飛び切りの愚者愚者の愚者達が神々しくも光輝いていた。
七ツ寺共同スタジオが、久しぶりに雄叫びをあげて喜んでいたよ。
彼らはずっと虚実皮膜の向こう、似非の阿呆で溢れかえるチマタの世間の社会の世界とやらに、間抜けヅラして逆立ちしながらアッカンベーしてたんだ。アッパレじゃ。
ワタクシ天野天街は、彼らのような芝居はすることはないだろうし出来はしないのだが、何故か「ひとごと」ではない気がしてならないのだ。
と、客出しをするスタッフのTシャツの「TAIGEN」という文字をボンヤリ見ていたら、いきなり組み換えが始まり「TENGAI」になった。やはり、ひとごとではなかった。
未だ観ぬ迷える客達よ、迷わずロングランの七ツ寺に、さ迷い駆け付けることをお勧めする。
長丁場、ちんもろ阿呆王渡部を初め、健気で強靭で狂人な役者スタッフ達にイバラの幸あれかし!

天野天街(少年王者舘)


体現帝国 TAIGENTEIKOKU
2008年5月に演出家 渡部剛己が旗揚げした劇団。特に演劇実験室◉天井桟敷を主宰した寺山修司より影響を受け活動を続ける。恒常的に俳優の身体訓練を行うことで、舞台上の時空を歪ませた独自の世界を立ち上げることが特徴。
渡部 剛己 watabe gouki
体現帝国主宰。超演出家。1987年生まれ、愛知県出身。
2008年-2012年 [体現帝国]を主宰。演出を担当。
2012年-2016年 [演劇実験室◉万有引力]に所属。
2017年より体現帝国を再開。集団の力に重点を置き、観客の想像力を鍵に舞台芸術でしか創造できない世界を制作する。未曾有の演劇を立ち上げていくことで、劇に関わる人の人生を変えていく。夢を売る詐欺師。過去に[七ツ寺共同スタジオ][三重県文化会館]の企画制作に従事。七ツ寺共同スタジオ50周年記念公演『夢の肉弾三勇士』にて演出を担当し新聞等のメディアからも高い評価を得る。近年では海外のダンサーを対象としたワークショップを開催しデンマーク×日本×エクアドルの三ヶ国合同作品制作を行う。
利賀演劇人コンクール2016 優秀演出家賞 受賞   日本演出者協会 会員
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